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ロボットが目と耳、口を持った。

これまでのロボティクスは、動きが中心だった。どれだけ人間らしく手足を動かせるか。ロボットの導入先は、主に工場だった。 

しかし人工知能の発達で、ロボット研究の矛先が変わり始めている。人工知能の機能の中でも、特に映像認識、音声認識の領域が急速に進化し始めたので、そうした機能を持つロボットが登場し始めたわけだ。中にはコミュニケーションが主体で、手足さえ持たないロボットさえ登場している。そうしたロボットは「ソーシャルロボット」と呼ばれ始めた。 

とは言っても、人間のように自由にコミュニケーションが取れるほど、人工知能はまだ発達していない。しかし利用シーンを限定すれば、コミュニケーションは十分に成立するとみられている。これから独居老人の話し相手、子供の遊び相手、うつ病患者の話し相手、外国語の練習相手など、利用シーンを限定することで、重要な役割を果たすソーシャルロボットが登場してくることだろう。特にAmazonが音声認識技術を公開したように、大手IT企業が人工知能をプラットフォームとして開放し始めれば、ソーシャルロボット百科騒乱の時代の幕が切って落とされるかもしれない。 

ビジネスマンとして気をつけないといけないのは、先手必勝がゲームのルールということだ。人工知能は、大量のデータを糧に進化する。大量のデータが集まればサービスが向上し、サービスが向上すればユーザーとデータが集まる。この正のスパイラルに入った事業者を、二番手はなかなか追い越せないだろう。 

そして特定の領域を独占したロボットは、これまでのサービスを凌駕していくことだろう。英会話の練習相手としてのソーシャルロボットのスキルが完璧になれば、英会話学校やオンライン英会話などといったビジネスに大きな打撃を与えることになるだろう。 

ソーシャルロボットは、どの業界の勢力図を塗り替えていくのだろうか。 


2歩先の未来を読むがモットーの少人数制勉強会TheWave湯川塾では、第30期のテーマを「ソーシャルロボットはどの領域を狙うのか」をテーマに開催したいと思います。 



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3年後、ロボットは親友になり、やがて分身になる


【開催日時】(講師や会場の都合で変更になる可能性があります。ご注意ください) 

11/9(月)19:30~  湯川鶴章
11/16(月)19:30~  林 要氏(ソフトバンクpepper・元開発リーダー)
11/24(火)19:30~  大和信夫氏(ヴイストン株式会社)
11/30(月)19:30~  吉藤健太朗氏(オリィ研究所)
12/7(月)19:30~  神山晃男氏(株式会社テレノイド計画)
12/14(月)19:30~  湯川鶴章


講義は2時間。うち1時間で講師にお話をいただき、残りの1時間で議論します。また終了後、場所を変えて懇親会を開催します。カジュアルな雰囲気の中でさらに議論が深まり、さらなるオフレコ情報が飛び出すことがあります。懇親会は基本的に自由参加ですが、こうした理由から積極的なご参加を強くお勧めします。 


【講師について】
11/16の林 要氏は、世界のソーシャルロボットブームの先駆けとなったソフトバンクのソーシャルロボットの開発リーダー。ソーシャルロボットを開発、製造、発売することに関して今、世界で最も知見を持っている方の一人です。ソフトバンクを辞められてフリーな立場になられたことで、お話していただけることの幅も広がったのではないかと思います。非常に楽しみな講師です。 




11/24のヴイストン株式会社の大和信夫氏は、10年以上ロボットと生活を共にした経験から、「ロボットは友達以上、人間にとってかけがえのない存在になる」と断言されています。「産業界に突然現れた無限のビジネスチャンス」ともおっしゃっています。

関連記事:ソーシャルロボットには無限の未来がある(東洋経済オンライン)




吉藤健太朗氏は、高校時代に電動車椅子の新機構の発明に関わり、2004年の高校生科学技術チャレンジ(JSEC)で文部科学大臣賞を受賞したほか、2005年にアメリカで開催されたインテル国際学生科学技術フェア(ISEF)に日本代表として出場しGrandAward 3位を受賞したそうです。高専で人工知能を学んだ後、早稲田大学創造理工学部へ進学。自身の不登校の体験をもとに、対孤独用分身コミュニケーションロボット「OriHime」を開発し、2012年に青年版国民栄誉賞である「人間力大賞」に選ばれています。実は僕自身まだお会いできていないのですが、僕の友人たちが絶賛している人物なので、ぜひ講師をお願いしたいと思いました。近く取材させていただく予定です。 


神山晃男氏は、高齢者支援のためのコミュニケーション・サービスを提供するベンチャー企業の株式会社こころみの社長でありながら、大阪大学のロボット工学の権威、石黒浩教授の開発した遠隔操作型アンドロイド「テレノイド」を使って、要介護高齢者の会話促進など新しいコミュニケーション・サービスを企画・提供する株式会社テレノイド計画の社長に就任されました。講義では実際にテレノイドをお持ちいただき、塾生のみなさんに操作してもらうことで、塾生のみなさんにロボットのある生活を体感してもらう予定です。


【情報の取り扱いについて】
少人数のカジュアルな雰囲気のためオフレコ情報が多数飛び交います。ソーシャルメディアなど公の場での情報共有は基本的に禁止といたします。 


【場所】 
渋谷のコワーキングスペースco-ba6階ライブラリー 


【オンライン受講について】
会場に来れない方のために、テレビ会議システムを使ってリアルタイムでのオンライン受講が可能な体制を取っています。ほぼ完璧な受講メモも用意しています。ただしネット回線の混雑などの理由で、快適な受講環境を提供できない場合があります。急な出張が入った場合や、地方からどうしても参加したいという方のために体制だけは整えましたが、TheWave湯川塾の醍醐味は、最先端の講師と膝を突き合わせて議論するところにあります。なるべくリアルに参加されることをおすすめします。 


【受講料】
法人枠 20万円(税別)
お一人さまのみの参加となりますが、その方が出席できない回については、同じ会社の別の方の代理出席が可能です。領収書の宛先が法人の場合は、法人枠となります。ご了承ください。

個人枠 15万円(税別)
個人として参加される場合は、3回、5回の分割払いも可能です。ご相談ください。 


【定員】
10名 


【対象者:以下のような方を念頭にカリキュラムを組みました】 
・企業経営者
・経営企画担当者
・起業志望者
・投資家


人工知能やロボットなどの技術に対する事前知識がない方でも議論に参加していただけるよう、ITジャーナリストの湯川鶴章がやさしく解説しながら講義を進めていきます。そこが、ITジャーナリストが主催する勉強会の強みだと考えています。 


【申し込み】




 



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