[読了時間:3分]
「宇宙とのつながりでうんぬん」「宇宙から教わるうんぬん」って本をよく目にする。「神さま」ってしちゃうと宗教っぽくなってしまうから「宇宙」って表現しているんだろうと思うけど、「宇宙とつながる」っていう表現に違和感を感じない人ってどれくらいいるんだろう。結構多くの人が「宇宙とつながる」って話をしても、違和感感じないんじゃないかな。体験的にそう思う。
じゃあ「宇宙とつながる」ってどういうことなんだろう。人間って、惑星とか宇宙の塵とかと、なんらかの形でつながってるんだろうか。モノとモノって、なにかでつながってるの?人間とモノってコミュニケーションできるの?
感覚的には、そんなつながりはないように思う。でも電波とか目に見えなくても「つながり」っていうものが実際にあるわけで、まだ科学では理解されていない「つながり」があっても不思議ではない、とも思う。
そういう興味から、この本を手にとった。
僕が中学とかで物理を習ったときは、物体の一番小さい形は原子かなにかで、その周りを電子が回っている、とか、そんなふう話だったように記憶している。つまりモノはどれだけ小さくしてもモノであり、それぞれが独立した存在だった。人間であるボクとはつながっていなかった。
でも今の物理学では、物体の一番小さい形はエネルギーの波であり、ヒモのような形をしているんだとか。(関連記事:よく分かるヒモ理論動画)しかもそのヒモが宇宙を覆っている膜につながっている。この学説が最有力らしい。この膜はBrane(ブレーン)って呼ばれるんだけど、物理学に詳しい友人に聞くと、ほかの学説でも宇宙全体を覆っているようなエネルギーフィールドの存在があるという考え方に基いているとかで、物理学者の間では宇宙に存在するものが、すべてつながっているという考え方が既に主流なんだそうだ。
つまりわれわれが使う「宇宙につながっている」という表現は、科学的にも十分に根拠があるということだ。
この聖なるマトリックスは、宗教やスピリチュアルで言われていることが、どこまで科学で判明してきたかを説明している本。結構分厚いし、やさしく書いてくれてはいても、やはり専門的で分かりづらいところもあるんだけど、今の僕の関心領域にはマッチしていて面白く読んだ。(次の塾のテーマはまさにこの領域だし)。
宇宙がつながっている、ということ以外で、興味深かった実験結果が幾つかある。1つは、「DNAファントム効果」と呼ばれるもの。チューブの中から空気を抜いて真空にしても光子と呼ばれる物質は残っているのだが、このチューブの中にDNAを入れると、それまでバラバラに存在していた光子が整列すという現象だ。しかもDNAをその後、抜いても光子の整列状態は変わらないという。
この実験の結果、考えられるのは次のようなことだ。DNAには、まだ理解されていないタイプのエネルギーがあり、そのDNAのエネルギーが物質に何らかの影響を与えている、ということだ。つまり我々人間は、DNAレベルで物質に影響を与えることができる、ということだ。
2つ目は、1993年に発表された米国陸軍の研究。人体からDNAを採取し、別の部屋に保管。DNA提供者には、いろいろなビデオを見せた。戦争ものから、コメディ、エロチックなものまで、いろいろな感情を引き起こすようないろいろな内容のビデオだ。DNAの電気信号を測定していると、DNA提供者の感情がたかぶるたびに、DNAが強い電気反応を示したのだという。これは、同じ建物の別の部屋に保管したDNAでも、約500キロ離れた場所に保管したDNAにも時間差なしで同じ電気反応が見られたという。
つまり、今まで認識されていないエネルギーが生体細胞間に存在し、たとえどれだけ離れていようと時間差なしに感情を伝達できる、ということだ。
この2つの実験結果を総合すれば、人間の感情は物質世界に影響を与えることができるということになる。
いろいろな宗教やスピリチュアルな教えの中には、人間の思いや祈りが現実を変えることができる、というような考え方がある。この2つの実験結果から、確かに人間は物質に影響を与えることは可能だと言える。(だからと言って「山よ動け」と念じれば、山が動くかというと、微妙だけど)。
著者のブレイデン氏は、僕からすればかなりスピリチュアル寄りの見解を持っていて、自分の信じていることを証明するために物理の実験結果を用いている感じがした。でもまあ物理の最先端を知る上で有益な本だと思う。
また今日にまで伝えられているキリスト教の聖書はごく一部で、輪廻転生について書かれた聖書の部分は、ときの権力者によって削除されたという話もおもしろかった。