ビジネスチャンスやキャリア上のチャンスっていろんな形で出現してくるとは思うんだけど、一つ確実にあるのが時代の変革期にくるチャンス。みんながまだその変化に気づいていないとき、準備できれば第一人者になれたり、競合のない中でビジネスを展開できたりと、いろいろと好都合なことになる。


ネットが普及し始めたときもそうだし、スマートフォンが普及し始めたときや、ソーシャルメディアが普及し始めたときもそう。そうした時代の変化を見据えて、タイミングを見計らってスタートしたビジネスは成功することが多い。


社会変化は、テクノロジーやインフラ的サービスだけが起こすものだけではない。人々の価値観の変化も社会変化になる。なので価値観の変化を見極めることができれば、チャンスをつかめる。「お金にもならないのに、有益な情報を出す人はいない」と考える人は、Wikipediaやブログの盛り上がりを予測できなかった。食べログや価格コムが成功したのは「お金にならなくても情報を提供したい」という価値観の出現を読めたからだ。


新しい価値観や生き方の変化として僕が今、注目しているのが、イケダハヤトさんに代表されるような若い人たちの考え方。年収150万円で僕らは自由に生きていくというような考え方だ。


また会社ではなく仲間に自分のアイデンティティを置く生き方をする人も増えてくるだろう。なのでこの時点で、閉塞感のある君へ。こっちへおいでよ。 人とつながって情報発信するコミュニティ型生き方の秘訣という本を出した。TheWave湯川塾15期でコミュニティをテーマにしたのも、ネット上で実名で活動する人が増え、これまでの匿名コミュニティとは異なる形態のコミュニティが増えてきて、しかもそうしたコミュニティが社会の重要な構成要素になってきたという社会変化を詳しく探りたいからだ。


16期では「直感xイノベーション」をテーマにしている。仏教でいうところの「空」と呼ばれるような精神の領域にまでつながることで企業を、社会を変革しようというU理論が、今後ますますビジネスの現場に普及してくるといわれている。この時点で、U理論から仏教、量子力学、スピリチュアルまで、ひと通りエッセンスを理解することで、価値観の変化、社会変化を読みたいと思っているからだ。


個人的には、そういった価値観の変化がいいのか悪いのかには興味がない。イケダハヤトさんの考え方や、スピリチュアルな考え方も、一歩引いたところで眺めている。僕は単純に、社会の価値観が変化しようとしてるのなら、そこにチャンスがあると思うから学びたいし、その学びを人々に伝えたいと思っている。それだけのことだ。


「スマートフォンの普及の次にくるチャンスはなんですか?」「次のパラダイムシフトはどの領域ですか?」という質問をよく受ける。チャンスをつかみたいのなら、テクノロジーの変化だけに限定しないほうがいい。


視野をテクノロジーに限定したり、価値観の変化に感情的に反発していているようでは、次にくるチャンスはつかめないないだろう。