7月1日に正式販売した僕の新刊「未来予測 ―ITの次に見える未来、価値観の激変と直感への回帰」は、いろんな情報ニーズを持った人がそれぞれ必要な情報を得ることができるように、ちょっと欲張って情報を詰め込んだ感じがする。もちろん書籍としては、それでいいんだろうけど、「ITの次に見える未来」ってどんな本ですか、と聞かれることが増えてきたので、その問いに答えやすいように、本を通じて僕が伝えたかったことをここにまとめたいと思う。

まずこの本は、これからの時代のビジネスチャンスという切り口で書いている。先行きが不透明な時代において、これからどういった領域にチャンスがあると思うのか、という質問をよく受ける。恐らく現時点において僕にはそういう役割が求められているのだと思うので、それにお答えするような形で書いてある。

ビジネスチャンスということは、キャリアチャンスでもある。これからどういう領域の企業に就職・転職すればいいのかを考えている人にも役に立てばと思って執筆した。

実は僕自身、これからの日本には明るい展望しか見えずビジネスチャンスは山のようにあると思うのだが、その中で僕が特に気になる領域を幾つか取り上げた。

チャンスのある領域を大別すると、1つはハードウェア関連。PC上のサービスは、ほぼ出尽くした感じがある(いや、まだまだあるんだろうけど、大きな傾向しては)。これからはインターネットにつながったハードウェアが、いろいろな業界に大きな変革を引く起こして行くのだと思う。

チャンスの領域のもう1つは、価値観変化。自分らしく生きる、という価値観を持つ人が増えることで生じるビジネスチャンスについて詳しく書いた。

ただこの価値観が変化するということは、新しいビジネスチャンスが生まれるといったレベルの変化以上の大きな社会変化をもたらす。ミクロの観点で始まった話は、マクロの視点へと拡大していく。幕末にこれからの処世術の本を書けば、最初は武士としてこれから時代が求める人材像について書き始めても、最後は商人としてのビジネスチャンスの話になると同時に、今後日本はどのような国になるのか、その中で価値観はどう変わるのか、まで書かないとならない。それと同じことだと思う。それほど大きな社会変化なので、このような書き方にならざるを得なかった。

マクロ視点での社会変化を取り上げている本はこれまでにもあった。貨幣の時代から、知恵の時代、評価の時代へと移行する、という予測は、これまでに数多くの識者が繰り返してきたことだ。

そうしたこれまでの主張に、新しく僕が追加した考察は、価値観変化には精神世界に対する考え方も含まれるであろうということだ。ビジネス書でありながら、スピリチュアルな領域にまで真面目に踏み込んだことが、この本の最大の価値だと思っている。そしてその結果、これまでの多くの予測と異なり、社会のパワーゲームが減少する方向に進むという主張にまで発展している。これまでの予測は、貨幣をベースにしたパワーゲームが、知恵や評価をベースにしたパワーゲームに変化する、というものだった。あくまでも社会の中に、パワーゲームが根強く残るという考え方だ。僕は、そうではない、という結論を持つに至った。この結論が、この本ならではの主張だと思っている。

実は、この本を書き上げてから知ったことなんだが、社会の価値観の中に精神世界の考え方が入り、その結果パワーゲームが減少する、と主張しているのは、実は僕だけではなかった。米国で盛んになってきているトランスパーソナル心理学と呼ばれる新しい心理学の領域では、早くから同様の主張が繰り返されているようだ。ただ日本ではあまり一般的に受け入れられていない主張のようなので、僕がこの本で同様の主張をした意味はあるのではないかと思っている。

以上が、僕が「ITの次に見える未来」で僕が主張したかったことだ。ぜひ多くの人に手に取って読んでいただきたい。電子書籍オンリーだが、ハードウェアのkindleがなくても、スマートフォンでもタブレットでもiPadでも読める。無料のkindleアプリをダウンロードするだけ。kindleアプリは非常によくできたアプリなんで、iPhoneやAndroidケータイでも非常に読みやすいと思う。 講演依頼はこちらオンラインサロンもやってます。