[読了時間:8分、「蛇足」含む]

 Facebookは、日本限定の新しいアプリケーション「コネクションサーチ」を公開した。就職活動中の学生が、同じ業界を目指す大学の同級生や志望業界に内定している先輩、働いているOBなどとつながることを可能にする。またこのアプリは、リクルートが運営する就職情報サイト「リクナビ2012」と連携、リクナビの各ページに表れるFacebookの案内からアカウント登録を行えるようになる。



 就職活動は、情報戦。マスコミのような上から下への一方通行の情報ルートだけに頼っていては、とてもこの戦いに勝利できない。そこで就活学生は昔から横のつながりを通じた情報ルートの構築に注力してきた。リクルート自体は一方通行の情報ルートを提供してきたわけだが、Facebookと組むことで就活学生の横のつながりの情報ルートにまで大きく関与できるようになった。一方でFacebookにとっては、横のつながりを希求している層に対してその仕組みを提供することで、この層にとっての主要ソーシャルインフラの地位を一気に手中に収めることができる最高のチャンスとなる。



 発表文の中で紹介されている画像をみると、Facebookのコネクションサーチのページでは「あなたと志望業界が同じ大学の同級生」「あなたの志望業界に内定している大学の同級生と先輩」「あなたの志望業界で働いているOB」などが一覧表示されるようだ。



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 発表文は以下の通り。まずはFacebookの発表文から。




Facebook、就活生をサポートする新アプリケーション『コネクションサーチ』を本日公開



リクナビ2012と連動して就職活動仲間や内定者、OB ・OGとの「つながり」を生む



米国カリフォルニア州パロ・アルト--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ)-- Facebook, Inc(本社:米国カリフォルニア、CEO:マーク・ザッカーバーグ)は、就職活動中の学生が同じ業界を目指す大学の同級生や志望業界に内定している先輩、志望業界で働いているOB・OGや同じ会社の内定者などとつながることを可能にする、日本限定の新しいアプリケーション『コネクションサーチ』を本日公開しました。本アプリケーションは、リクルートが運営する就職情報サイト、「リクナビ2012」と連携することで、幅広い業界における人と人との新しい「つながり」を生み出します。



URL: http://www.facebook.com/connectionsearch



『コネクションサーチ』では、自分が通っている学校や志望業界を登録すると、同じ業界を目指す仲間や、志望業界に内定している先輩、志望業界で働くOB・ OGを探すことができます。これまでに知り合うきっかけがなかった仲間や先輩、OB・OGとつながっていくことで、学生がより効率的に情報を収集できるようになり、ワンランク上の就職活動が可能になります。また、入社前に内定者仲間とつながることで、より充実した残りの学校生活と社会人生活のスタートを応援します。



* 『コネクションサーチ』の特徴

o 一緒に頑張る就職活動仲間を見つけることができます。

o 志望業界/企業に内定している先輩を見つけて、話を聞くことができます。

o 志望業界/企業で働くOB・OGを見つけて、訪問につなげることができます。

o 内定者同士で仲良くなり、入社前に結束を強めることができます。



 『コネクションサーチ』に関する画像は、是非こちらをご覧ください。



URL: http://www.facebook.com/FacebookJapan



* 使い方



 1. Facebook登録後、ホーム画面の左横に表示されるナビゲーション・メニューにある『コネクションサーチ』をクリックすると、「基本データ」の横に「編集」というボタンが表示されます。3. 「編集」をクリックして、自分が通っている学校や志望業界を登録します。変更を保存し、『コネクションサーチ』のホーム画面に戻ると、4. 自分の「基本データ」に関わりのある友達や先輩、OB・OGなどが表示されます。



 ついでリクルート側の発表文



『リクナビ2012』10月1日オープン!



 株式会社リクルート(本社:東京都千代田区 代表取締役社長 兼 CEO:柏木斉)は、2012年卒業予定の学生(大学院、大学、短大、専門学校、高専)を対象にした就職活動情報サイト『リクナビ 2012』(http://job.rikunabi.com/2012/)をオープンいたします。今年は新機能の搭載に加え、Facebook(R)との連携もスタートし、就職活動生の活動がより有意義で効率的になるよう支援の強化を行います。





◆就職活動情報サイト『リクナビ 2012』の特徴



(http://job.rikunabi.com/2012/)

1、20万人以上が受けた!無料の自己分析ツール「リクナビ診断」



 無料の自己分析ツール。「活動的なイノベーター」「冷静なエキスパート」など8タイプに分析し、それぞれに合う組織風土などを解説。さらに12,000人以上の先輩情報から自分と同じタイプの先輩社員を検索し、働く企業を知ることができる「先輩の仕事タイプ検索」も搭載。





2、新機能!あなたと企業の相性が分かる!「リクナビスコア検索」



 自己分析ツール「リクナビ診断」をもとに「企業の求める人材」と「あなた」の相性を算出。自分に合う企業を星(★)3段階で表示します。社名や業種だけでなく、組織風土から、 自分の好みや特性に合っているかが分かる新しい検索軸。





3、連携スタート!志望業界への理解が深まるFacebookの『コネクションサーチ』



 『リクナビ』とFacebookが連携開始!『リクナビ』の各ページに表れるFacebookの案内からアカウント登録を行うと、Facebookに新たに提供されたアプリケーション『コネクション サーチ』が使えます。『コネクションサーチ』では、自分が通っている学校や志望業界を登録すると、同じ業界を目指す仲間や、志望業界に内定している先輩、志望業界で働くOB・OGを 探すことができます。『リクナビ』で興味をもった業界や企業と、同じような興味を持つ同級生や、そこで働く社会人とのつながりを作ることができます。



 その他、ブックマーク管理アプリをiPhone 、Androidで11月より提供予定。「ブックマーク企業一覧」の確認、スケジュール確認、説明会予約が可能!また、 「筆記対策!時事トレ」もiPhoneアプリとして提供予定。さらに、企業説明会にオンライン上で参加できる「R-Webinar」や就職イベントのU-stream配信など大幅に機能拡充を行います !





蛇足:オレはこう思う

これから「ソーシャル」の要素を取り入れることで、ありとあらゆるサービスの形や業界勢力図が激変する時代に入る。日本では、ソーシャルゲーム以外では、今回の取り組みがその最初の事例になるのではないだろうか。



 リクルートとFacebook、どちらが仕掛けたんだろう?多分リクルートだろうなあ。Facebookは日本での事業立ち上げにバタバタの状態が続いていたから、特定の業界向けの施策でイニシアティブを取ることはできないだろうから。



 リクルートはさすがに動きが速い。日本の大企業ってびっくりするくらいに情報を持っていなくて、動きが遅いところが圧倒的に多いんだけど、リクルートだけは別格。



 でもどうしてmixiと組まなかったんだろう。この年齢層ではmixiのほうが普及しているのに。(関連記事:どっこい、mixiは伸びていた【湯川】 : TechWave



 ミクシィがインターネット求人広告事業「Find Job !」を分社化したのは、mixiをどの業種とも組めるインフラにするためだったと思うんだけど。



 しかし考えれば考えるほど、今回の取り組みはすごくいいアイデアだと思う。だって就活学生だと、まずこのサービスを使うんじゃないかな。そうすると、これで若者の間でFacebookが一気に広がる可能性がある。



 Facebookの中の人は今回のように「Facebookと〇〇」というような取り組みをどんどん進めていきたいと語っている。あらゆる企業に対して提供できるソーシャルなインフラを目指しているわけだ。これからも「Facebookと〇〇」「mixiと〇〇」というのがどんどん出てくるんだろう。



 次はどこだろう、って考えた場合、業種よりも特定の企業を見て考えたほうがいいかもしれない。ソーシャル化の流れを理解している企業って、そう多くないだろうから。今回の話、ほんとリクルートだから成立したようなものだと思う。



 日本では実名主義は広がらないって言う人が多いけど、それは実名主義のメリットをうまく想像できないからだと思うんだ。今回の取り組みなんかはまさに、ネットの実名主義のメリットの1つ。匿名主義のネットも捨てがたいけど、実名主義のよさがこれからまだまだ出てくるのだと思う。



 日本人が実名主義に慣れるまでちょっとかかるとは思うけど、必ず慣れると思う。それは間違いないね。日本人が特殊だという考え方が短絡的だということはこれまで何度も実証されてるし。もちろん外国との文化的差異は存在するけど、多くの日本人が思うほど日本人って特殊じゃない。



 ところで実はFacebookって別の意味で、大学で利用が広まる可能性があるんだよね。何人かの大学関係者と話したけど、教職員なんかもFacebookが好きみたい。だって創業者がハーバード大だし、まず最初に米アイビーリーグで広がったからだってさww。なんかミーハーで、ばかみたいな話だけど。