[読了時間:4分、「蛇足」含む]

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 米3大テレビ網のABC、CBS、NBCがそれぞれのウェブサイトへのGoogleTVからのアクセスをブロックしている問題で、Googleと3大テレビ網がアクセス料の金額をめぐって協議を始めたようだ。



 米Bloomberg通信によると、ABCは故意にGoogleTVからのアクセスをブロックしていると、同通信の取材に対して答えた。またロイター通信によると、NBCも同通信の取材に対してGoogleTVからのアクセスをブロックしていることを明らかにしたという。CBSはノーコメントとしているという。



 Wall Street Journalによると、Googleは「GoogleTVは、パソコンや電話機で既にアクセス可能なウェブのすべてのコンテンツへアクセスできるようになっている。ただコンテンツ所有者がファンに対して自分たちのコンテンツへのアクセスをGoogleTV上で制限したいというのであれば、それは最終的にはコンテンツ所有者の判断になる」という声明を出しているという。



 Bloombergによると、テレビ網側は配信料を求めているという。ロイターによると、Googleは3大テレビ網と積極的に協議中だとしている。




蛇足:オレはこう思う



 Googleにしてみれば、既にパソコンやスマートフォンで視聴できるウェブ上のコンテンツをテレビからアクセスして何が問題だというのか、という思いなんだろう。



 一方で、パソコンで見るのと、テレビで見るのは違うだろう、というのがテレビ局側の言い分。テレビで見れるようにするのなら地方局やCATV局のように配信料を支払え、という考え方だ。



 テレビ、新聞などのマスメディアは、情報の出し手と受け手を結びつけるプラットフォーム事業と、そのプラットフォーム上に出すコンテンツを制作、配信する事業の2つのビジネスを手がけてきた。しかしオンライン上では、プラットフォーム事業は新興IT企業にすべて奪われてしまった。残ったのはコンテンツ配信事業だけ。ここでできるだけ多くの利益を上げたいところなんだろう。



 新しいプラットフォーム事業者と、コンテンツ事業者に成り下がった旧プラットフォーム事業者の綱引きだ。



 この交渉の結果が前例となり、これから日本を含むあらゆるメディア領域での新旧の綱引きに影響を与えるのではないかと思う。非常に重要な話だと思う。




【追記】ABC、NBCとディズニーとの資本関係を間違って書いていました。Bloomberg電、ロイター電には正しく書かれていました。僕の誤訳です。すみませんでした。別にディズニーの資本関係を記述する必要もないので該当部分を削除しました。Twitterでお知らせいただいたみなさん、ありがとうございました。