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 東日本大震災発生直後、Googleの動きは早かった。



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 被災者の消息情報を集めたGoogle People Finderはその日のうちに立ち上がった。People Finderは、2005年8月末に米南東部を襲った大型のハリケーンであるハリケーン・カトリーナの際に人々の安否情報がネット上に分散されて検索が困難だったとことを教訓に作られた安否情報に特化した検索サービス。2010年1月のハイチ地震の際から運用され始めた。そのひな形があったため東日本大震災の際にもすぐに立ち上げることができたわけだが、「People Finderを立ち上げるように」という指示が米国本社からあったわけではなかった。



社員一人一人が自分で行動





 「社員は、上からの指揮命令で統制が取れて動いたんではないんです。社員一人一人が言われなくても自分は今、何をすべきか自分で判断し、自分で動いたんです。その様子は感動的ですらありました」と製品開発本部長の徳生健太郎氏は言う。



Googleには「Googleの使命は、世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスできて使えるようにする」というミッションステートメントがある。社員全員がこのミッションステートメントを理解していたからこそ、だれに命令されなくとも迷うことなく自分の今取り組むべきことに取り込めたのだという。



 Person Finderで検索できるのは、このサイトで入力されたデータだけではない。NHKや、朝日新聞、毎日新聞などの報道機関、携帯電話キャリアなどの消息情報も次々と取り込んでいき、14万件のデータが蓄積されたという。

5000人の入力ボランティア





 とはいえ消息情報はすべてがデジタルデータではなかった。消息情報のほとんどは、避難所の掲示板などに張られた手書きの紙の上にあった。中には殴り書きのような字もある。そこでこうした紙の情報を携帯電話のカメラで撮影してもらい写真共有サービスのPicasa上にアップしてもらうようにした。



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 あとはそれをだれかに手作業でテキストデータとしてPerson Finderに入力してもらえばいい。Google関係者が、ボランティアにその作業を依頼しようと思ったときには、すでにボランティアたちが自分たちでその作業を始めていた。だれかが写真の中の消息情報を順番にテキストとして手打ちし、できるところまでやれば別の人が続きの箇所から始め、それが終われば別の人が確認作業をし、Person Finderへデータ入力する。流れ作業のマニュアルまでがボランティアの手で作られていた。結局約5000人のボランティアがこの作業に協力したという。



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「われわれは一行のコードも書いていません」と徳生さんは言う。



 Googleは衛星写真撮影専門業者会社GeoOne社に出資しており、GeoOneに依頼して被災地の衛星写真を撮影しGoogle Earthにアップしている。震災当日や翌日、1週間後などの写真がアップされ被災状況が確認できたという。







 そのほかの大震災に関するGoogleの取り組みについてはグーグル株式会社の三浦健さんが、第7回ジオメディアサミットで詳しくお話されているので、そちらをどうぞ。