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 米ブルームバーグ通信は、AppleがAppStore上で一度は販売を認可した月額課金のゲームを削除したと報じた。毎月継続してアプリ使用料を課金する月額課金の形をAppleが初めて認めたケースとして注目されたが、やはり月額課金を認めないというのがAppleの基本方針のようだ。



 同通信によると、ゲーム会社Big Fish Games社の月額課金制のゲームが11月18日にAppleによって認可され一度はAppStoreに表示されたものの、24日になって同社が月額課金制のゲームに関する発表文をリリースし同通信がそれ元に報じたところ、その日のうちに問題のゲームがAppStroeから削除されたという。



 Big Fish Games社によると、月額課金の必要性についてAppStoreの審査担当者を数週間かけて説得したほか、月額課金制のゲームに関する発表文も担当者に見せた上でリリースしたという。



 急な削除に関しBig Fish Gamesは戸惑っており、担当者に理由を問い合わせしているという。また同通信はApple社広報に問い合わせたが「ノーコメント」という返事だったという。
蛇足:オレはこう思う



 前回の記事「Appleがゲームの月額課金を許可=ブルームバーグ通信【湯川】」はFacebook、Twitter上でそれぞれ400回以上共有されるなど、それなりの反響を呼んだ。「安定収入の予感」「大きな動き。ゲームだけ?アプリ全体に広がってほしい」といったアプリ開発者らの喜びの声が聞かれた。



 日本のゲーム、アプリは月額課金をベースに設計されたものが多い。ガラケー上では月額課金が認められていたからで、長期間に渡って使ってもらえるように工夫され、作り込まれているものが多い。



 なのにAppStoreでは売り切り型のカジュアルゲームと横一列に並べて販売される。価格で比較されると安価なカジュアルゲームがどうしても有利だ。



 もしAppleが月額課金を認めてくれるのであれば、かなり作り込んでいるゲームにも収益増の可能性がある。なので「Appleが月額課金を認めた」というニュースは多くのアプリ開発者にとって朗報となったのだろう。



 しかし残念ながら、今回のケースは審査担当者の判断ミスで、Appleは月額課金を認めないという基本方針に立ち返ったということになりそうだ。