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 人は自分や自分の周辺の人のあり方が世の中全般の傾向を表していると思いがちなので、アーリーアダプターたちの中にはmixiが既に力を失ったと思いがちの人が多い。しかし実際にはmixiのターゲット層である20代の女性の間では、mixiはこれまでにもまして利用が活性化しているし、今後も若者のSNSとして力を持ち続けるのだと思う。



 事業開発を担当するようなアーリーアダプターであればあるほど、そのことに気づかない人が多い。ということは逆に、mixi周辺にこそビジネスチャンスが存在するということになる。



 人気Twitterクライアント「Feel on!」を開発する株式会社L is B (エルイズビー)の横井太輔さんはmixiの周辺にこそビジネスチャンスが存在すると考える一人だ。横井さんは言う。「アーリーアダプターにはmixiに対する評価が低い人が多いですが、僕は反対にmixiてすごいなって思うんです」と語る。



 なのでいずれFeel on!をmixiボイスにも対応させるのだろうなと思っていたんだけど、さすがのセンスのよさで対応してきた。



 Feel on!に関しては何度もTechWaveで取り上げてきた通り、つぶやきの感情を解析して、つぶやきの内容に合った漫画に変換してくれるサービス。



 それをmixiのつぶやきサービス「mixiボイス」にも対応、専用アプリ「Feel on! mixiボイス」を開発したと発表した。



 Feel on!は漫画がかわいいこともありユーザーの60%超が女性。mixiボイスへの対応も多くのユーザーから要望されて開発したという。
 「Feel on! mixiボイス」もこれまでのTwitter版「Feel on!」同様に、テキストモードをコミックモードに一瞬で変換できたり、自分の気持ちにあったイラストを選んで送信できたり、という機能を搭載しているが、それに加え「Feel on! mixiボイス」には「占い」機能が搭載された。こういう機能を搭載してくるところが、すばらしいと思う。mixiというターゲット層にぴったりの機能だし、数ある外国製Twitterクライアントには真似ができないものだからだ。



 発表文によると、Feel on! mixiボイス上での毎日のつぶやきからユーザーの感情を解析し、今日の「全体運」「LOVE運」「健康&美容運」 「仕事&勉強運」 「お金運」を占ってくれるのだという。







 またつぶやきを取捨選択しmixi日記に投稿する機能も搭載された。Twitterのつぶやきとタイムスタンプをそのままブログに貼りつけている人がいるが、テキストが並んでいるだけなので非常に読みづらい。コミックに変換して日記に貼り付けることで、楽しく読めるようになりそうだ。







 ここまでして初めて純正アプリではなくクライアントアプリを使う意味がある。Feel on!はまだまだ進化するのだろうが、今回のリリースでようやく完成形の域に入ったと言ってもいいと思う。



蛇足:オレはこう思う



 これは断言してもいいんだけど、mixiが急速に力を失うことなんてありえない。OS間のシェア争いもそうだし、ブラウザ間のシェア争いもそう。プラットフォーム間のシェア争いって、粛々と何年も続けられるものなんだ。



 もちろんその後の勝負の優劣を決めるような「勝負の分かれ目」というのがあって、実はその「勝負の分かれ目」は既に過ぎている。Facebookが日本でも今後コミュニケーションのインフラになり、mixiが厳しい戦いを余儀なくされるのは事実だ。しかし勝負の分かれ目のあとでも、シェア争いは粛々と続くものなんだ。



 一方でインフラって普及してしまえば、「クール」「おしゃれ」じゃなくなるもの。電気もガスもインターネットプロバイダも、「クール」じゃない。でも電気だって普及し始めたころは「おしゃれ」だった。浅草の老舗バー「神谷バー」には「電気ブラン」と呼ばれるブランデーがあるんだけど、それは電気が利用され始めたころ、電気という言葉がおしゃれなものと認識されていたので、そうした名前になったのだそうだ。



 同様にFacebookがさらに普及すれば「おしゃれ」「クール」ではなくなる。FacebookのZuckerburgだって、そのことには自覚的だ。



 今、Facebookを盛んに使っているようなアーリーアダプターたちは今後、Facebookと連動するようなスマートフォンアプリや新しいソーシャルサービスを中心に使うようになるだろうし、若い女性たちは「かわいい」「おしゃれ」なサービスをコミュニケーションの核にするようになるだろう。



 なので若い女性に受け入れられるような「かわいい」「あたたかい」「居心地のいい」サービスを提供し続ける限り、mixiの未来は決して暗くない。



 MicrosoftとAppleのOSシェア争いだって長年にわたり粛々と続けられている。もちろんMicrosoftのWindowsが勝ち続けているのだが、普及し切ったWindowsはもはやクールではなくなった。新バージョンが発売されても店頭に長蛇の列ができなくなった。



 そしてシェア争いでは押され続けているAppleが「クールさ」「おしゃれさ」で業績を伸ばし、新製品が発売されるたびに店頭に長い列ができている。



 プラットフォーム争いに負けても、「クールさ」「おしゃれさ」で勝つことが可能。そのことは、Appleが証明済だ。