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 NHN Japan 株式会社は、同社が開発・運営するスマートフォン向けコミュニケーションアプリ「LINE(ライン)」がサービス開始から約8ヶ月で2,000万ダウンロードを達成した、と発表した。モバイルコミュニケーションツールの領域は、Facebookを超える大きな領域になると見られており、韓国企業ながら日本国内のチームが開発したアプリが今後世界をどの程度リードできるのか興味深いところだ。



 LINEは、ユーザー同士であれば国内・海外、通信キャリアを問わず、無料で音声通話・メールが楽しめるスマートフォンアプリ。2011年6月のサービスイン以来、国内のみならず中東・東南アジア地域を中心に利用者が急増、サービス開始からわずか約7ヶ月で、累計1,500万ダウンロードを達成している。



 その後も、1週間に100万ダウンロード以上のペースで利用者数を伸ばしており、日本国内では3月2日にユーザー数が800万人を突破。海外では、今年からマーケティングを強化し、第一弾として2月17日から台湾を対象にTVCMプロモーションを開始したところ、台湾のAndroid Marketの人気アプリ(無料)ランキングで1位を早速獲得するなど、急速な勢いで利用者数を伸ばしている。また3月2日にはトルコのApp Store無料アプリ総合ランキング1位を獲得、東ヨーロッパ圏においても利用が急増している。



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 NHN Japanが、他の主要ソーシャルメディアが2,000万ユーザーを達成するのに要した期間を調べたところ、海外ではFacebookが約28ヶ月(1152日間)、Twitterが約26ヶ月(1035日間)、国内ではmixiが約73ヶ月、GREEが約77ヶ月、mobageが約54ヶ月だったという。NHN Japanでは「これらと比べてもLINEは圧倒的に速い成長ペースを記録している」としている。





 また、2012年2月の月間アクティブ率(※1ヶ月に1回以上アプリを起動したユニークユーザー割合)は89.1%となっており、「親しい友人や家族とのコミュニケーションに積極的に利用いただいています」という。



 同社では、2012年中に世界1億ユーザーの獲得を目標に、引き続きサービスの利便性向上を目指すとしている。



蛇足:オレはこう思う



 Facebookの次の覇権を狙っているような内外のIT業界関係者と話をすると、今さらパソコンの領域でFacebookに対抗しようなどと考えている人はほとんどいない。だれもがモバイルの領域を見ている。モバイル機器の出荷台数はパソコンのそれを既に超えたというニュースもあったし、今後パソコンではなくモバイル機器が情報機器の中核になっていくのは間違いない。なので、パソコンの領域でFacebookと戦わなくても、モバイルの領域で覇権を握ることができれば自然とFacebookを凌駕できるようになる、と多くの人は考えているようだ。



 もちろんFacebookもモバイル領域への集中度は半端ないが、それでも「PC向けサービスを引きずっている限り、モバイル専門に作ったサービスには絶対に勝てない」というのが次を狙う人たちの支配的な意見だ。ではFacebookを凌駕するかもしれないモバイル専門のサービスってどんなものになるのだろうか、というと中国のweiboやrenren、韓国のカカオトークなどを例に挙げる人が多い。そんな中で日本のチームが開発したLINEが急上昇していることが、同じ日本人としてはうれしい限り。



 NHN Japanは今後、LINEをどのように発展させるつもりだろうか。Facebookの次を狙うという大胆なことまで視野に入れているのだろうか。