7月1日に正式発売した新刊書「未来予測 ITの次に見える未来、価値観の激変と直感への回帰」の販売部数が1000部を超えました。電子書籍で1000部達成するのは並大抵のことではないという話を聞いたことがあります。購入してくださったみなさん、執筆、販売促進面で協力してくださったみなさん、ありがとうございました。
約1ヶ月たってみて気づいたことは、意外にデジタルの壁が厚いということ。何人かから「紙の本で出したら買うんだけど」という反応をもらいました。やはり人間は未知の体験にはどうしても消極的になってしまうものなんでしょう。でも電子書籍ってエコだし省スペースだし持ち運びも便利。特にAmazonのキンドルアプリ間の同期機能とかは絶賛に値するくらいすばらしいので、紙の本でなければという人はいずれ少数派になるんだろうと思います。「ウェブページは印刷しないと読めない」とか「音楽はCDじゃないとだめ」と言っていた人がいつの間にか少数派になったように。同じような意識の変化がいつ起こるのか、ということなんだろうと思います。そのときが、電子書籍元年だと思います。
あとネット業界の中心にいるような人でも、電子書籍はキンドルなどの専用デバイスがないと読めないと思っている人が多いのにびっくりしました。無料のキンドルアプリをダウンロードするだけで、iPhoneでもAndroidスマホでも、iPadでもiPad miniでも、Androidタブレットでも問題なく読めます。
こうしたデジタルの壁が存在するので「電子書籍で1000部達成するのは並大抵のことではない」という通説が生まれたのだと思います。でも僕の本の読者は、比較的ITリテラシーの高い人が多いはずですから、デジタルの壁はそれほど高くないはず。なので僕の本に関しては、紙の書籍並みに売れて初めて成功と呼べるのではないかと思っています。紙の書籍の損益分岐点は3000部だという話を聞いたことがあるので、半年で3000部売れれば、少なくとも失敗ということにはにはならないのだと思います。この調子で推移し、半年で3000部を超えたいところです。
一方で1万部売れれば、紙の書籍としてもヒットと考えることができます。なので1万部売れてくれたらうれしいなあ(ムリかな、ハハハ)。まあ僕の本でなくてもそうした成功例がでれば作家や出版社も電子書籍に本腰を入れるようになり、あらゆる新刊が紙と電子の両方で出版されるようになると思います。アメリカのアマゾンでは、新刊書のほとんどが紙と電子の両方で売られており、紙で読むか電子で読むかの判断は完全に読者の側に移っています。日本も早くそうなってもらいたいものです。
この程度の部数なら、いっそ無料で配布して講演で稼ぐというビジネスモデルのほうがいいかもしれません。ただ電子書籍を有料にすることで2つのメリットがあると思います。まず炎上しないということ。この程度の金額でも、暇つぶしにネット上で人を批判する人たちには十分なハードルになるみたいです。この本の中でイケダハヤトさんのことを好意的に取り上げているのですが、このことに対して感情的に反論しているレビューを見たことがありません。同じ主旨のことをブログ記事に書いたらはてブやTwitterなどで炎上していたようです(って聞きました。確認していないけど)。有料であることがフィルターになり、同等の知識量、関心領域の人が中心になることで議論が深まりやすいというメリットが有料販売にはあります。本を読んでくれた人と会っても、すぐに深い話から始められるので非常に便利です。
もう1つは、有料のほうがかえって売れるということ。無料だと「安かろう悪かろう」というイメージになるからでしょうか。インターネットで情報過多の時代になり、無料の情報がありあまるようになりました。その結果、価値のある情報にたどり着くために、時間と手間をかけないといけなくなったのも事実です。ですので情報を有料にすることで「情報の内容に自信を持っている、時間と手間を無駄にさせない」というメッセージを送ることができるわけです。
今回の電子書籍の販売で得た知見をまとめて、また何かの機会に発表したいと思います。興味のある方、議論してみたい方はtwitterやFacebook経由で連絡ください。
2013年07月28日
「ITの次に見える未来」が電子書籍だけで1000部売れました【湯川】
7月1日に正式発売した新刊書「未来予測 ITの次に見える未来、価値観の激変と直感への回帰」の販売部数が1000部を超えました。電子書籍で1000部達成するのは並大抵のことではないという話を聞いたことがあります。購入してくださったみなさん、執筆、販売促進面で協力してくださったみなさん、ありがとうございました。
約1ヶ月たってみて気づいたことは、意外にデジタルの壁が厚いということ。何人かから「紙の本で出したら買うんだけど」という反応をもらいました。やはり人間は未知の体験にはどうしても消極的になってしまうものなんでしょう。でも電子書籍ってエコだし省スペースだし持ち運びも便利。特にAmazonのキンドルアプリ間の同期機能とかは絶賛に値するくらいすばらしいので、紙の本でなければという人はいずれ少数派になるんだろうと思います。「ウェブページは印刷しないと読めない」とか「音楽はCDじゃないとだめ」と言っていた人がいつの間にか少数派になったように。同じような意識の変化がいつ起こるのか、ということなんだろうと思います。そのときが、電子書籍元年だと思います。
あとネット業界の中心にいるような人でも、電子書籍はキンドルなどの専用デバイスがないと読めないと思っている人が多いのにびっくりしました。無料のキンドルアプリをダウンロードするだけで、iPhoneでもAndroidスマホでも、iPadでもiPad miniでも、Androidタブレットでも問題なく読めます。
こうしたデジタルの壁が存在するので「電子書籍で1000部達成するのは並大抵のことではない」という通説が生まれたのだと思います。でも僕の本の読者は、比較的ITリテラシーの高い人が多いはずですから、デジタルの壁はそれほど高くないはず。なので僕の本に関しては、紙の書籍並みに売れて初めて成功と呼べるのではないかと思っています。紙の書籍の損益分岐点は3000部だという話を聞いたことがあるので、半年で3000部売れれば、少なくとも失敗ということにはにはならないのだと思います。この調子で推移し、半年で3000部を超えたいところです。
一方で1万部売れれば、紙の書籍としてもヒットと考えることができます。なので1万部売れてくれたらうれしいなあ(ムリかな、ハハハ)。まあ僕の本でなくてもそうした成功例がでれば作家や出版社も電子書籍に本腰を入れるようになり、あらゆる新刊が紙と電子の両方で出版されるようになると思います。アメリカのアマゾンでは、新刊書のほとんどが紙と電子の両方で売られており、紙で読むか電子で読むかの判断は完全に読者の側に移っています。日本も早くそうなってもらいたいものです。
この程度の部数なら、いっそ無料で配布して講演で稼ぐというビジネスモデルのほうがいいかもしれません。ただ電子書籍を有料にすることで2つのメリットがあると思います。まず炎上しないということ。この程度の金額でも、暇つぶしにネット上で人を批判する人たちには十分なハードルになるみたいです。この本の中でイケダハヤトさんのことを好意的に取り上げているのですが、このことに対して感情的に反論しているレビューを見たことがありません。同じ主旨のことをブログ記事に書いたらはてブやTwitterなどで炎上していたようです(って聞きました。確認していないけど)。有料であることがフィルターになり、同等の知識量、関心領域の人が中心になることで議論が深まりやすいというメリットが有料販売にはあります。本を読んでくれた人と会っても、すぐに深い話から始められるので非常に便利です。
もう1つは、有料のほうがかえって売れるということ。無料だと「安かろう悪かろう」というイメージになるからでしょうか。インターネットで情報過多の時代になり、無料の情報がありあまるようになりました。その結果、価値のある情報にたどり着くために、時間と手間をかけないといけなくなったのも事実です。ですので情報を有料にすることで「情報の内容に自信を持っている、時間と手間を無駄にさせない」というメッセージを送ることができるわけです。
今回の電子書籍の販売で得た知見をまとめて、また何かの機会に発表したいと思います。興味のある方、議論してみたい方はtwitterやFacebook経由で連絡ください。
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